『戻り需要がある、、か、、』
「FF11」はPS版発売と共に開始。時間軸の概念がストーリーに盛り込まれ、新ジョブとして「学者」等が実装されるまでプレイ。
シリーズファンとしては、「FF世界のグラフィックのなかに自らの分身を置く」、ただそれだけで心躍るものがあった。また、現在の様に情報をメディアを通し得られる状態になかったことが逆に、「失敗し、皆で作戦をたてなおし、再挑戦する」正に冒険の醍醐味をうみだしていた。実生活のリズムをこわさない範囲の時間帯にパーティを組むプレイヤー文化にもひかれ、夜のひととき、ヴァナディールを時に走り、時にはチョコボの背中にしがみつき、また時には飛空艇のデッキから大陸を見渡し、時間があえばのんびりと船旅を楽しむ、そんな時間は日常にうるおいをもたらしてくれた。
作品世界を離れた理由としては、、
1)予備知識があることが大前提であり、それをもとに高度な操作・的確な判断を瞬時にくださねばならない心理的負担(倒された際の経験値ロスがあまりに大きく、社会人が使うことのできる時間ではそれを補いきれないことが更に重圧に)
2)長時間のプレイが必要なミッションが足かせ(ミッションをクリアすることで新たなエリアがオープンとなり、そうした場所はパーティプレイの人気スポットであったため、事前に情報をチェックし、休日を費やし長時間のミッションをこなすことが必須、という流れとなり、時間がとれず、協力をあおぐことにためらいを感じるプレイヤーは先へ進みにくい状況がうまれていた)
3)ヴァナディールにおける資金繰り(やはり時間がらみの問題なのだが、こつこつと合成技術を身につけ、それをもとに冒険資金を捻出する流れのなかで、「合成を学ぶための資金」を貯める時間がとれないプレイヤーは装備品が揃わず、それがためにパーティに入りにくい状況がログインをためらうことにつながっていった)
4)全てが仲間うち、というプレイヤー文化(作品の成熟と共に、特定のメンバーのみを仲間ととらえ、メンバー内でのみ会話を行い手伝いをする風潮が生じた。そうした枠から外れるとプレイに支障をきたし、また逆に、特定のグループに所属するからには決まった日時に行動を共にし、メンバーを手助けすることが当たり前、という「ヴァナディールの常識」に、オンライン本来の自由さがかきけされていってしまった)
といった点が私自身が「FF11」を離れた背景にある。
2010年には「FF14」がサービス開始。しかも「12」「13」及び外伝的作品も様々なハードから発売されている。これだけ「FF的世界」を楽しむ手段が充実している現状でこのソフトを手にするとしたら、、、やはり「作品世界への回帰願望」だろうか。冒険の最初期からプレイヤーの自己責任で進む(チュートリアル・入門者向けのサービス等は一切ない)この作品のシステムを考えると、一度ヴァナディールを離れたプレイヤーが、次なるオンライン作品の登場を待ちわびつつ、慣れ親しんだ「FF11」の世界にひととき身を置く、、購買層としてはやはりそうした方々に限られてしまうのではないだろうか。